楓舎小屋便り

2018/2/4 

日本の惨状

2018年1月の雪

 新しい年が始まって既に二月に入ってしまいました。年末年始からこれまで、別のことに没頭していてこのページの更新に手が回りませんでした。精神的にやや疲れてしまい、久しぶりに更新しています。

 新年になってから偶然大変つらい本を読みました。「知ってはいけないー隠された日本支配の構造/矢部宏治(講談社現代新書)」です。何十年も前から薄々気づいてはいましたが、完全な証拠とともに目の前に出されたような気がします。つまり、日本の占領は軍事的には1952年の講和条約以降も続いているということです。白井聡の「永続敗戦論」にも同様のことが書かれているのですが、理解力が足りずそこまでたどり着けていませんでした。今回偶然買った「知ってはいけない」は、なぜ米軍が空域を含め日本全土を演習場のごとく使えるのか。米軍あるいは米軍人が殺人を犯しても事故を起こしても、なぜ日本の警察は手出しができないのか。この治外法権の根拠は何か。日本は政治、経済的には確かに独立したが、アメリカは軍事的には占領状態を続けるために、吉田茂以来の歴代政権との間で無数の密約をかわしてきた、ということです。

 例えば、1960年以来10年ごとに改定されている「日米安保条約」。これの裏協定として「地位協定」がありますが、これこそ密約の固まりだということなんですね。そして日本の国内法にもそれを補完する形の条文があるのです。例えば航空法です。その中の「航空特例法」に、「米軍機および国連軍旗には航空法第6章の規定は適用しない」ことになっているそうです。航空法第6章とは飛行機の安全な運航について定めています。これが米軍機には適用されないのです!米軍機は日本の上空どれほど危険な飛行をしてもいいということです。野放しなんです。「安全」という点で考えれば、誰も取り締まれない巨大な暴力団をやりたい放題やらせている、しかも彼らは世界一の軍隊だとなれば、これは「安全」を求める方が愚かだということになります。

 1952年に独立したことになっても、それは見せかけで実態は占領が続いていることです。どうしてこんな屈辱を日本の政治家は受け入れてきたのでしょうね。そして今もさらにそれに輪をかけているのです。安倍晋三の姿を見ていると、また歴代のエリート官僚の引き継ぎを知ってしまうと、植民地エリートの悲しい買弁ぶりに胸が痛みます。

 いやいや、いけない、いけない、そんなことは「革命後」に言うことでした。1945年9月に正式に敗戦を認め無条件降伏して以来まるまる72年余り、占領状態が続いています。表向きは「法治国家」を標榜しても裏の「密約」に支配されているこの不平等を、なぜ日本の政治は放置し続けるのか。これが「民主主義」というなら、そんなものくそつぼに捨ててやる。明治時代でさえ各種の不平等条約を次々正常なものへ直していったというのに、太平洋戦争敗戦後は72年間も改正できないのはどうしてか。右も左もなぜそのことに目をつぶってきたのか。政治家、官僚の買弁に日本という国家も国民も利用されているだけであることを、国民も今こそ認識しなければなりません。そういう買弁を養うための税金は払いたくないですね。私は少なくとも野党議員にだけはこのことを知らせ考えを改めさせたい、そんなことを思っています。

 

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